- 近年、環境意識の高まりから宿泊施設におけるサステナビリティの重要性が増しています。
- エコマーク認定は、持続可能な宿泊施設を目指す施設にとって、顧客満足度向上やブランド価値の向上に役立ちます。
- 本記事では、エコマークの取得メリットと認定を取得するための手順について詳しく解説します。
エコマーク認定とは?
公益財団法人日本環境協会が実施し、同協会のエコマーク事務局(以下「事務局」)が認証などの担当をするエコマークは、様々な商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。
消費者が環境を意識した商品選択を行ったり、関係企業の環境改善努力を進めていくことにより、持続可能な社会の形成をはかっていくことを目的としています。エコマークの認定を受けた商品やサービスおよびその広告・宣伝物にはエコマークを使用することが出来ます。
以下の環境領域に資する製品・サービスが認定対象です。
- 資源循環(再生材料を使用した製品など)
- 地球温暖化(省エネルギー機器)
- 健康・環境(化学物質が制限・コントロールされた製品)
- 生物多様性の保全(生分解性の高い製品など)
- 節水(便器、給水栓、節水器具)
- 大気汚染(インキ、塗料) など
どれもホテルや旅館などの宿泊施設を運営していくうえで関わりの多い項目ばかりですね。
宿泊施設におけるエコマーク取得のメリット
エコマーク認定についての概要を説明した所ところで、ホテル業界におけるエコマーク取得のメリットをご紹介いたします。ホテルや旅館などの宿泊施設がエコマークを取得することで以下のようなメリットがあります。
エコホテル/宿泊施設一覧への掲載
エコマーク認定「ホテル・旅館」になると、エコマーク事務局が運営するエコホテル/宿泊施設一覧にリンクが掲載され、新規顧客獲得にもつながります。リンク掲載のメリットを以下にご紹介します。
- SEO対策・・・質の高い外部サイトからのリンク(被リンク)を獲得することで、検索エンジン最適化(SEO)において検索順位を上げることができます。Googleは被リンク元サイトの権威性が高いほど、リンク先のサイトも信頼できると判断しやすいためです。
- アクセス数の増加・・・リンクを貼ることで、読者が簡単にその情報源にアクセスできるようになり、アクセス数が増加し、自社サイト直予約獲得につながります。
- 情報源の信頼性向上・・・公的機関や専門家のサイトに対して外部リンクを貼ることで、ドメインパワーが向上したり、情報源の信ぴょう性を示すことができます。
顧客へのアピール効果
エコ意識の高い旅行者や企業にとって、エコマークは施設選びの指針となるため、選ばれやすくなります。国内でも認知度の高いエコマークですが、世界エコラベリング・ネットワーク(Global Ecolabelling Network :GEN)に参加し、各国の環境ラベルと協力しているため、海外にもアピールできる環境ラベルです。
エコマークを取得することで、環境に配慮した取り組みを強調でき、国際会議、環境イベント、修学旅行、出張などの利用にふさわしい宿泊施設としてブランドイメージの向上にもつながります。
また、宿泊施設がエコマーク認定を取得するためには、環境活動を組織全体で取り組むための運営体制や従業員教育がきちんと整っていることが必要です。そのため、環境に限らず、サービス全般への管理が行き届いているということの証にもなります。
以上のことから、競合他社との差別化や、顧客へのアピールにエコマーク認定は大いに有用であるといえます。
CSR活動やSDGs活動の実績証明に
エコマークは、宿泊施設が環境に対する姿勢を消費者に伝えるコミュニケーションツールとして、CSR(企業の社会的責任)の一環として活用されています。企業や団体のCSR、SDGs対応の一環としても活用でき、持続可能な社会を目指す姿勢が評価されます。
もちろん、宿泊施設の公式HPや企業HPに環境への取り組みとして掲載することもできます。
エコマーク認定の実績があることで、政府や市町村、観光庁などの助成金や補助金公募がスムーズに受けやすくなるというメリットもあります。
コスト削減
エコアメニティや省エネ機器の導入、リユース等の取り組みによるリネンや使い捨て品の削減、エネルギー効率の向上、業務改善などが、結果的に運営コストの削減につながります。
宿泊施設向けエコマーク取得手順
ホテルや旅館でエコマークの認定を取得するには、定められた認定基準を満たすことが要件となります。認定基準を満たした上で認定審査の申し込みを行い、審査委員会での認定を受ける必要があります。
エコマーク認定までの流れ
エコマークの認定審査の申込から、使用契約の手続きまでの基本的な流れについて以下順番に解説します。
エコマークの取得基準の確認
エコマーク「ホテル・旅館」認定基準は、ホテルや旅館における省エネ・節水・廃棄物削減などの基本的な環境対策に加えて、宿泊施設の環境活動への利用者の理解を深め、宿泊を通して環境配慮への気づきを与える環境コミュニケーションなどを評価しています。
まずは宿泊施設向けのエコマーク認定基準(評価カテゴリーとポイント数)を確認し、基準に合致するかをチェックしましょう。詳しい項目内容については認定基準書を確認してください。
No | 評価カテゴリー | 必須項目数 | 選択項目数(最大ポイント数) |
1 | おもてなしにおける環境配慮 | 2 項目 | 10 項目(12p) |
2 | 客室備品・設備の環境配慮 | 0 項目 | 11 項目(15p) |
3 | 廃棄物削減・リサイクル | 2 項目 | 9 項目(12p) |
4 | 省エネルギー | 2 項目 | 11 項目(14p) |
5 | 節水 | 2 項目 | 6 項目( 9p) |
6 | 施設運営における全般的な環境配慮 | 1 項目 | 9 項目(12p) |
合 計 | 9 項目 | 56 項目(74p) |
- 食事の提供を行う施設の場合・・・必須9項目+選択項目25p以上
- 食事の提供を行わない(またはテナントのみが行う)施設の場合・・・必須8項目+選択項目21p以上
エコマーク事務局への相談
上記項目を確認した上で進めることが決まったらまずは事務局へ相談しましょう。基準の内容や必要書類などの案内を受けることが出来ます。
無料で電話、メール、またはZOOMで相談が受けられます。相談者の拠点が複数ある場合も利用可能です。
審査の申し込み
必要資料や審査に必要な環境が整ったら審査料を支払い、申し込みに進みます。原則毎月15日が申込締切日です。共通の運営手法で運営されている複数施設は、まとめて1件分として申請することもできます。
審査への申し込みが完了すると、エコマーク事務局による現地監査(またはオンライン監査)が入ります。
認定審査~認定
毎月開催の審査委員会による認定審査で認定が下りると、エコマークの表示ができるようになります。
以降、三年ごとに現地監査(またはオンライン監査)にて基準適合状況の確認があります。認定取得後も基準に沿った運営が求められますので、担当者は定期的に見直しを行いましょう。
エコマークを無断で使用したらどうなる?
使用契約者以外の方は、商品などにエコマークを使用・表示することはできません。※エコマーク画像は、商品のエコマーク認定を受けた使用契約者に限り、閲覧もしくはダウンロードが可能です。
エコマークを商品などに表示するには、商品類型(商品カテゴリー)ごとに定められた認定基準に照らし合わせて申込を行い、「エコマーク審査委員会」での認定審査を受け、「エコマーク使用契約」を締結していただく必要があります。また、「エコマーク」の呼称およびロゴは、公益財団法人日本環境協会が商標権を保有しています。
エコマーク認定を目指すためのアメニティ提供方法
エコマーク認定基準の評価カテゴリー「おもてなしにおける環境配慮」において必須項目のうちの一つに下記があります。
「(65)【2022 年 7 月1日追加】「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」における特定プラスチック使用製品(12 製品)に該当するプラスチック製品を提供する場合には、「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」の「提供方法の工夫」、または「製品の工夫」のいずれかの取り組みを行っていること。」
(公財)日本環境協会 エコマーク事務局 「ホテル・旅館Version 2.3」 認定基準書
脱プラスチックを推進する法律として、2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環促進法」があります。正式名称は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」で、略して「プラ新法」とも呼ばれます。このプラ新法に基づいたアメニティ提供をしていることがエコマーク認定においても必須項目となります。
「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」実際の工夫案
宿泊施設などの特定プラスチック使用製品事業者は、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制することが求められています。具体的にはどのように「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」を行っていけばいいか、下記ご紹介いたします。※エコマーク認定には下記のいずれかを行っている必要があります。
提供方法の工夫
- ゲストに提供するアメニティやカトラリーなどの特定プラスチック使用製品を有償で提供する
- アメニティなしのエコプランなどを利用誘導するために景品を提供したりポイント還元等をする
- アメニティやカトラリーなどの特定プラスチック使用製品をアメニティバイキングなどの自由選択制にしてゲストの意思を確認する
- アメニティやカトラリーなどの特定プラスチック使用製品について繰り返し使用を促すこと(繰り返し使用できるアメニティはお持ち帰りください等のアナウンスを行う)
提供する特定プラスチック使用製品の工夫
- 薄肉化又は軽量化、エコプラスチックなど工夫して生産されたアメニティやカトラリーを提供する
- 繰り返し使用が可能なアメニティを提供すること
エコマーク認定におすすめのアメニティ一覧
エコマーク取得を目指す宿泊施設には、以下のような環境に優しいアメニティの導入が効果的です。
薄肉化、軽量化されたアメニティ
ハブラシなどグリップ部に空洞部分を設け、全体的にプラスチック使用量を減らしたアメニティ商品は以下のものがあります。
インスタントエコハブラシ 食用外米35%配合
食用外の砕米を35%配合したエコ歯ブラシです。
毎日大量に消費される使い捨てアメニティだからこそ、地球環境に優しいものを。
24穴の先細ヘッドでお子様から大人までしっかり磨けます。歯磨き粉が既に装填してあるインスタントタイプなので水に濡らしそのまま使用可能。
また、パッケージにECOマークもプリントしており環境に優しい企業イメージのアピールにも◎
エコハブラシ26穴-3g マットシリーズ
本体の30%に食用外のお米を配合した地球にやさしいサスティナブルなハブラシです。
自然素材由来で石油消費を削減し、ハブラシ燃焼時のCO2を軽減します。
ハブラシ本体はもちろん、練り歯磨きの製造からチューブへの充填まですべて国内で行った“純国産”のハブラシです。
HAJIMARI EASY+ シャンプー・コンディショナー・ボディソープ
明日に向かうすべての人に贈るボタニカルシャンプーシリーズ「HAJIMARI」の紙パック詰め替えシリーズが登場。
専用ボトルのプラスチック使用量が従来品と比べて大幅に削減されました。また、パウチ原料も紙製のため従来の容器と比較して、樹脂使用量を約25~40%削減できます。
エコ素材で生産されたアメニティ
エコプラスチックや紙、竹などのはじめとしたエコ素材原料で生産されたアメニティ商品には以下のようなものがあります。
(防カビ)竹ハブラシ34穴-3g先細 クリアマットシリーズ
ハンドル部分には、昨今プラスチックに代替するエコ素材として注目を集めている「竹」を100%使用している、話題の竹ハブラシです。
ブラシ部分には防カビ措置として、安全なフードワックスを塗布しております。
竹は、成長スピードが早く定期的に間伐する必要がありますので、その資源を有効活用する事で環境資源の好循環を生み出すことができます。
エコヘアブラシ コーンスターチ28%配合
コーンスターチを28%配合したエコヘアブラシ。
ゆったりとしたカーブ状のブラシが頭の形に沿い、気持ちの良いブラッシングができるコージーブラシです。
パッケージにもコーンスターチの原料、とうもろこしとECOマークをプリントしており環境に優しい企業イメージのアピールにも◎
カミソリ3枚刃(白)コーンスターチ30%配合
コーンスターチを30%配合したエコカミソリ。
スムーザー付き3枚刃を低価格で実現しました。
安全面を考慮したキャップ付き。
パッケージにもコーンスターチの原料、とうもろこしとECOマークをプリントしており環境に優しい企業イメージのアピールにも◎
エコシャワーキャップ コーンスターチ20%配合
コーンスターチを30%配合したエコシャワーキャップ。
袋上部にキリトリ線が入っておりますので、使いたいときにさっと取り出せます。伸縮性のあるギャザー入りで誰でも簡単フィット。
パッケージにもコーンスターチの原料、とうもろこしとECOマークをプリントしており環境に優しい企業イメージのアピールにも◎
繰り返し使用が可能なアメニティ
「繰り返し使用できるアメニティはお持ち帰りください」等のアナウンスを行い、繰り返し使用を促すことができるアメニティ商品には以下のようなものがあります。
お持ち帰りアメニティセット【巾着入り】
セット内容はゲストの声をもとに商品化!オリジナル巾着にはお持ち帰りを促す案内文入りです。
チェックアウト後も使用していただく事で、問題視されるアメニティの使い捨て文化を軽減するエコ対策にも繋げる事ができ、社会に貢献する事ができます。
お持ち帰りアメニティセット【ステンドバッグ入り】
外湯めぐりや大浴場、プールなどへの持ち運びにも便利なステンドバッグ入りのアメニティセットです。
オプションで付けられる専用POPは3か国語での表記入りですので、外国人観光客の方への配慮にも。インバウンドゲストの備品・アメニティ持ち帰り対策にもおすすめです。
エコマークを取得して宿泊施設の価値を高めよう
いかがでしたか?エコマーク認定の取得は、取得に多少の手間がかかる分、信頼のおける認証であることが分かりました。
取得のメリットも大きく、顧客や取引先からの評価を向上させ、施設の差別化につながります。環境に優しいアメニティの導入で、エコマーク認定を目指しつつ、宿泊者の満足度を高める機会を提供していきましょう。
エコマーク取得、CSR、SDGs対策にはエコ素材アメニティに強いアメニティ通販専門店【DCアメニティ】の利用がおすすめです。アメニティ切り替えをご検討の施設様にはサンプル提供や見積り作成などのご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
研修や体験授業、ワークショップに便利な業務用アイマスクを買うなら品質・品揃え・安定供給が強みの【DCアメニティ】!初回会員登録で、3%オフクーポンを3回分進呈!小ロットでも他のアメニティと組み合わせてまとめ買いで割引価格に!
コメント