コラム

プラスチック資源循環促進法により販売事業者が知っておくべき12品目の義務化と罰則、具体的な脱プラ対策製品

コラム
  • プラスチック資源循環促進法の概要
  • 事業者の具体的な対策や義務や罰則メリットデメリット
  • 具体的な扱い製品

2022年4月より「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。企業の皆様においては、「SDGsや新法案については何となく知っているけど、腰が重い…」「今まで使用してた製品から切り替える勇気が出ない…」など既に対策を進めている、これから対策を考える、ニュースで見て何となく知っているなど状況は様々かと思いますが、この記事を読んで少しでもプラ削減への第一歩を踏み出せるようSDGs目標を掲げるメリットの一部をご紹介し、理解・実施に繋がると幸いです。

環境を配慮した企業イメージはこれからのスタンダードな方向性になる可能性が高いので、サステナブル(持続可能)な取り組みにアンテナを立てブランディング構築を行なっていく事は非常に大切な取り組みになってくると言えるでしょう。

そこで今回は改めて、方針基盤となるプラスチック資源循環促進法を分かりやすく解説するとともに
事業者はいったいどういった対策をとり、どのように製品を扱っていけばよいか紹介していきたいと思います。

なお今回の記事は「提供事業者目線」で、提供事業者向けの記事になりますので、その点ご理解ください。

この記事を書いた人
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DCアメニティ

ホテルや旅館向けの各種アメニティ・ノベルティ・備品などを販売する、アメニティ商品専門通販サイト「DCアメニティ」です。当社は、従業員様の指揮向上、お客様の満足度アップの為「消費者への利用意思確認」「軽量化や代替素材への切り替え」「商品やサービスに見合ったサイズでの提供」を軸に環境に配慮した製品を提供することで、SDGsへ協力していきます。また、働く従業員様の負担減少という課題にも取り組んでいます。

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プラスチック資源循環促進法とは?

2022年4月1日より施行されておりますプラスチック資源循環促進法とは、正式には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」というものになり、プラスチックなどの資源循環を促進する事で「プラスチックごみを減らし、持続可能(サステナブル)な社会を実現しよう!」というSDGsの意味合いも兼ね揃えた取り組みになります。

基本原則は [ 3R+Renewable ] で、従来まで認知されていた3R[Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)]にRenewable(リニューアブル)を加えようという取り組みです。

Renewable(リニューアブル)とは「再生可能」という意味で、再生プラスチック・再生可能資源等の活用を目的とするものです。

これまでは、プラスチックを利用した「生活に便利なもの」が価値だった時代から、「使われた後にどうなっていくかが大事という新たな価値観のフェーズに入ってきたと言えます。

施行の背景

それではなぜ、プラスチック資源循環促進法を推進するような動きになったのでしょうか?それは、プラスチック製品が自然に及ぼす問題が深刻になってきた為であり、海洋にあるプラスチック量は30年後の2050年には魚の重量を超えるとまで言われている海洋プラスチックゴミ問題にはじまり、大気までも汚染しつつあるマイクロプラスチックの大量発生などが問題となっております。

海洋プラスチック問題については、SDGsの目標:14(「海の豊かさを守ろう」)としても取りあげられており、海と海の資源を持続可能な方法で利用していく事が目標に掲げられています。

またゴミ問題だけでなく、プラスチックを製造する際は化石資源である石油が使われており、それらを焼却処分する際に出る二酸化炭素が地球温暖化につながるという側面もあります。そこで、化石資源をプラスチックの原料として利用しなかったり、削減する事で、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制する事も狙いです。これらは、上記温室効果ガス排出の抑制を目指す、SDGs目標:7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」目標:13「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」という、カーボンニュートラルへの取り組みにも繋がっていきます

そこで対策案となっているのが、とうもろこしなどの自然由来で作るプラスチック製品です。それらの製品は、自然に還ると水と二酸化炭素に分解されるものもありますので積極的に取り入れていきたいところですが、それを実現するには、作る側・売る側・消費する側で理解し、取り組む事が大事になってきます。

もちろん製造だけでいうと、今でも行われているリサイクルという方法もありますが、現状リサイクルでの製造コストは高く、全てのプラスチックゴミを安易に回収することもできないのが現状です。だったら「そもそもプラスチックを使わない生活を目指そう」という取り組みが、世界の多くの国で高まっているのです。

マイクロプラスチックとは

海洋ごみ問題などで取り沙汰されるマイクロプラスチックというのは、いわゆるプラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ペット等)が然るべき廃棄をされずにゴミとして放置され、やがて太陽や風、波などでどんどんと削られていくことで5mm以下の小さな小さなプラスチックになったものを指します。

このマイクロプラスチックは、海に放出されたり、風に運ばれたりすることにより、あらゆる場所に堆積してきており、すでに全てを回収する事は人間の力では不可能と言われております。

マイクロプラスチックの何がいけない

マイクロプラスチックの問題点は、その分解される力になります。

プラスチックは「軽い・丈夫・整形しやすい・錆びにくい」などの汎用性の高さから、世界中で作られ、利用されています。

自然由来の材料で作られたプラスチックは自然に還ると分解されていくものもありますが、この石油由来のプラスチックは自然の力では半永久的に分解されないという事がわかっております。

もちろん劣化などで見た目としては小さくなっていきますが、マイクロプラスチックとして着実にあらゆる場所で蓄積されているのです。

その影響が今徐々に現れてきており、海洋生物がプラスチックを食べてしまっていたり、風に運ばれたマイクロプラスチックが人工的な影響の及ばないはずの山の頂付近で発見されたりしています。

もちろん魚に関しては私たちも日常的に食べるものであり、魚を食べる際にその残留物であるマイクロプラスチックを知らずに我々の人体に取り込んでいたり、風に運ばれているものを知らずに吸い込んでいることも大いに考えられます。

具体的な脱プラ対策

それでは、プラスチック資源循環促進法に対して、私たちができる具体的対策を解説していきます。

プラスチック資源循環促進法の主な措置は「製造・販売・消費」の3つのフェーズに分かれており、この3つのフェーズでのサイクルを徹底して取り組んでいきましょうというものです。

製造

製造分野は、詳しくは「設計・製造」と区分され、策定された「プラスチック使用製品設計指針」というものを製造側が遵守し、商品製造に取り組むというものです。

この記事は「販売」事業者目線の内容を主体としておりますが、仕入れ先の選定としては重要になりますので、詳しく解説していきます。

プラスチック使用製品設計指針

「プラスチック使用製品設計指針」を遵守する対象者はプラスチック製品を設計・製造する事業者で、製造の際「プラスチックの使用料の削減・部品の再使用・再生利用を簡単にする工夫・素材の代替・再生プラスチックやバイオプラスチックの利用に取り組む」事が求められています。

以下、製造事業者が取り組むべき製品構造と材料を抜粋して紹介します。

構造
画像の引用:https://plastic-circulation.env.go.jp/about/pro/seido
対策 イメージ 概要
1) 減量化 減量化 材料を少なくしよう
2) 包装の簡素化 包装の簡素化 過剰な包装はやめよう
3) 長期使用化・長寿命化 長期使用化・長寿命化 耐久性を高め、交換・修理をできるようにしよう
4) 部品の再使用 部品の再使用 再使用がしやすい部品を使用し、再使用しよう
5) 単一素材化 単一素材化 使用素材を少なくしよう
6) 分解・分別の容易化 分解・分別の容易化 分解・分別をしやすく、工程数も減らそう
7) 収集・運搬の容易化 収集・運搬の容易化 収集・運搬のしやすいものにしよう
8) 破砕・焼却の容易化 破砕・焼却の容易化 再利用ができないものは、破砕・焼却しやすいものにしよう
材料
画像の引用:https://plastic-circulation.env.go.jp/about/pro/seido
対策 イメージ 概要
1) プラスチック以外の素材への代替 プラスチック以外の素材への代替 プラスチック素材以外の素材に代替しよう
2) 再生利用が容易な材料の使用 再生利用が容易な材料の使用 材料の種類を減らし、再利用が容易な材料にしよう
3) 再生プラスチックの利用 再生プラスチックの利用 破棄されたプラスチックをリサイクルして作られた「再生プラスチック」を利用しよう。「マテリアルリサイクル」とも言われます。
4) バイオプラスチックの利用 バイオプラスチックの利用 バイオプラスチック・生分解性プラスチックを利用しよう

1)プラスチック以外の素材への代替

上記「材料」としてでてきております、プラスチック以外の代替製品について詳しく見ていきます。

プラスチック以外への素材の代替品は「紙・さとうきび・トウモロコシ・竹・米・石灰石」など多種多様に出てきています。

すでにプラスチックから代替されている商品も多数あり、実際に使われおります。

マクドナルドでは紙ストロー

マクドナルドでは、ストローを代替素材の紙で製造することを実施しております。評判は以下のような声が目立ちました。

評判の方はあまりよくないですが、脱プラへの一定の理解があるかないかで意見や見方も変わってくるのではないかと思います。

キットカットの紙包装
引用:https://nestle.jp/fun-picks/topic/creation/22508.php

食品メーカーのネスレの取り組みでは、ヒット商品である特定種類のキットカットの包装袋を紙主体に変更しております。

こちらで年間約450トンのプラスチック削減に貢献しているようですが、その貢献度が高いのか低いのかはわかりませんが、こうした大企業の取り組みは社会的な影響は大きいと言えるでしょう。

竹ハブラシ

ホテルなどで提供されるアメニティのハブラシなども大きく見直されており、竹を素材とした竹ハブラシというのも出ております。

4) バイオプラスチックとは?

上記「材料」にて出ておりますバイオプラスチックとは、植物などの再生可能な有機資源を原料とする「バイオマスプラスチック」と微生物により二酸化炭素と水にまで分解される「生分解性プラスチック」の2つの事を指します

一般的なプラスチックは石油などを原料に作られますが、バイオプラスチックは再生可能な有機資源から作られる為様々なメリットがあります。

バイオマスプラスチックとは?

バイオマスプラスチックは多くの商品に使われているポリエチレン(PE)やポリカーボネート(PC)などの種類がそれにあたり、自然界で分解されることはありません。ちなみにバイオマスとは、生物資源の量(bio+mass)という意味です。

バイオマスプラスチックは、発酵法と化学合成法の2つの製法で作られており、発酵法ではサトウキビやトウモロコシなどの油脂から精製し、化学合成法ではトウモロコシや小麦などに加え、調理後の食用油や製紙工場から出たトール油を原料として樹脂を製造するプロセスがあります。

また、製品の全てではなく、部分的にバイオマス由来となっているものもあります。

特定の協会に認められ、以下のマークがついていればバイオマス由来のプラスチックとなります。

バイオマスマーク バイオマスプラマーク
イメージ
※正式なものではありませんので、利用しないでください
バイオマスマーク バイオマスプラマーク
認定協会 一般社団法人日本有機資源協会 日本バイオプラスチック協会
概要 バイオマス素材10%以上使用から、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格等に適合し、協会に認定されている製品に使用できます。イメージの数字は配合量を5%ずつ刻みに表示しています。また、Noのところには認定番号が表示され、協会サイトにて確認することができます。(https://www.jora.jp/biomass_list/) バイオマスプラスチック素材25%以上使用から、協会に認定されている製品に使用できます。イメージの数字は配合量が25%以上50%未満の場合は「25」と表示され、以降50%、75%、90%も同様に表示されます。
メリット

バイオマスプラスチックを焼却しても大きな意味で大気中のCO2は増加しないという特性がありますので、「温室効果ガスの排出をゼロにしよう」という、カーボンニュートラルの取り組みにも該当します

また、石油などの化石資源の使用を減らすこともできます。

衛生上の観点等から、焼却処分せざるを得ない用途などの製品に有効に働くと考えられています。

画像引用:https://plastic-circulation.env.go.jp/shien/bio/merit
ゴミ袋(可燃ごみ) マスク 畑を覆うフィルム(回収・リサイクル用) 海洋の浮き(回収・リサイクル用)
ゴミ袋(可燃ごみ) マスク 畑を覆うフィルム(回収・リサイクル用) 海洋の浮き(回収・リサイクル用)

その他にも、実際にレジ袋や食品容器などにも活用されています。

生分解性プラスチックとは?

生分解性プラスチックとは、微生物により二酸化炭素と水にまで分解されるプラスチックで、化石資源の石油を原料とするものと、上記バイオマスプラスチックを原料とするものがあります。ちなみに、日本で普及している生分解性プラスチックの7割はバイオマス由来となっています。

ただし分解されると言っても、生分解性を発揮する為には、土壌や海洋などの分解環境でも一定の条件が必要だったりしますので、なんでもかんでも分解されるという訳ではありません。

製造方法は、上記バイオマスプラスチック同様に発酵法と化学合成法の2種類で、発酵法ではサトウキビやトウモロコシ、パーム油などの油脂から精製し、化学合成法では石油を原料としを製造するプロセスがあります。

また、製品の全てではなく、部分的にバイオマス由来となっているものもあります。

特定の協会に認められ、以下のマークがついていれば生分解性プラスチック製品となります。

マーク画像引用:http://www.jbpaweb.net/identification/
石油由来 バイオマス由来
(25%以上)
マーク 生分解性マーク 生分解性バイオマスプラマーク
認定協会 日本バイオプラスチック協会
メリット

本来自然環境へ流出してはいけないものの、意図せず流出してしまう恐れがあるものについては、万が一流出した場合でも、微生物等によってCO2と水にまで分解されるため、長期の残留を防ぐ事ができます

また、ゴミ回収袋や農業用の畑を覆うフィルムに使用することで、回収の手間やコストを削減する事もできます。

海洋や土壌の自然環境に仕方なく流出する可能性が高い製品に有効使用できると考えられています。

画像引用:https://plastic-circulation.env.go.jp/shien/bio/merit
ゴミ袋(堆肥化などに用いる生ゴミ用) 肥料に用いる被覆材 畑を覆うフィルム(すき込む用) 海洋の浮き(高い強度や耐久性が求められないもの)
ゴミ袋 肥料に用いる被覆材 畑を覆うフィルム) 海洋の浮き

販売

販売分野では、詳しくは「販売・提供」と区分され、「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」という判断基準を元に使用の合理化を求めるもので、販売事業者はその指針に沿った製品を積極的に仕入れ、販売・提供していこうというものです。

この指針の対象者は「特定プラスチック使用製品の販売または消費者に無償で提供する事業者」、すなわち、小売・サービス事業者にあたります。

対象となる製品(12品目)と業種

「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」が求められるのは、コンビニや飲食店で無料提供するスプーン、ストロー、マドラーといったカトラリー類、ホテルのアメニティー提供でのヘアブラシやハブラシ、クリーニング店のハンガーなどの12品目です。また、対面販売・サービスだけでなく、インターネット通販や配達も同様に規制対象となります。

プラスチック製品のみが対象です。プラスチックを含む複数の素材で構成されている場合は、プラスチック素材が全体の割合で一番多く占めている場合は対象となります。
画像の引用:https://plastic-circulation.env.go.jp/about/pro/seido
対象となる製品 対象となる業種
特定プラスチック 総合スーパー、百貨店・コンビニ、食料品スーパー、洋菓子店・ホテル、旅館・レストラン、喫茶店、フードデリバリーなどの小売り、飲食店
特定プラスチック ホテル、旅館などの宿泊施設
特定プラスチック 総合スーパー、百貨店、クリーニング店など

これらの製品を提供・販売する際は、プラスチックの代替製品か、再生プラスチックやバイオプラスチックを原料としたプラスチックに変えていきましょうということです。

ただし、現在所有している補完在庫などを今すぐ全て破棄することを推奨している訳ではなく、順次段階的に入れ替えていけばOKです。

提供方法の工夫

取り扱う製品には、以下のような提供方法の工夫も求められています。

対策項目 方法
1)有料化 有料化で販売。例えば、宿泊施設のアメニティ提供者は、アメニティ販売用自販機などを設置しているところもあります。(参考サイト:https://jidohanbaiki.jp/business/amenities/
2)ポイント等の還元 提供を辞退した人へのポイント還元。ポイント還元ではありませんが、アメニティを辞退された方には、お菓子のプレゼントしているホテルなどもありました。※現在は実施されていません(参考サイト:https://www.superhotel.co.jp/sdgs/ecohiiki.html/
3)意思確認の徹底(声かけ) 必要かどうかの消費者の意思を確認する。。例えば、ホテルなどではアメニティバイキング・アメニティバー・セルフアメニティという形で、必要な分だけお客様がアメニティをロビーなどの特定設置場所に取りにいくなどの対策がとられたりもしています。これによって、お客様がアメニティを欲しているかどうかの確認をする事ができます。しかし、中には故意に多めにとって転売したりなど悪質な利用者による被害というのも発生はしているようです。
4)繰り返し使用の促進 使い捨てにせず繰り返し使用できる事を呼びかける。例えば、クリーニング店でもらったビニールカバーを、次回も使うので持ってきてくださいと促すなど。

ただし、これらは全て取り入れるのではなく、業種や業態に応じて、有効だと思えるものを適宜取り組んでいけばOKです。

ですので、強制的にホテルアメニティやコンビニの無料フォーク・スプーンを有料にする必要や、提供を中止することはありません。

製品の工夫

また、こちらは製造者側へのリスクエストになりますが、販売事業者側でも以下の項目に気にしながら仕入れをしていく事が推奨されています。

  • 薄肉化や軽量化した製品の提供
  • バイオプラスチック製品の提供
  • 再生プラスチック製品の提供
  • 紙製・木製・金属製等のプラスチック以外の素材を利用した製品の提供
  • 適切な寸法の製品の提供
  • 繰り返し使用が可能な製品の提供

例えば、1)薄肉化や軽量化した製品の提供の場合ですと、歯ブラシだと以下の画像のように真ん中が空洞になっていても特に問題ないよね!という発想になります。

こちらも全て取り入れるのではなく、業種や業態に応じて、有効だと思えるものを適宜取り組んでいけばOKです。

消費

消費分野では、詳しくは「排出・回収・リサイクル」と区分され、市区町村が分別収集などの行為に積極的に取り組んでいけるように配慮したり、製造・販売事業者が自主回収をし、サイクルを循環させ再資源化に取り組もうというものです。

今回の記事は販売事業者目線の内容になりますので、こちらの内容に関しては割愛させていただきます。

プラスチック資源循環促進法は義務?罰則は?メリット・デメリット

プラスチック資源循環促進法に関しては上記に記載してきた通りですが、それでは事業者がプラスチック資源循環促進法に取り組むことは義務なのか?罰則はあるのか?取り組む事によって起こるメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。なお、前述してきたように、販売事業者目線での内容になります。

義務?罰則は?

結論からいいますと、プラスチック資源循環促進法への取り組みは義務ではありません。努力義務の範疇を超えないです。しかし、ある一定の条件を満たす事業者には、取り組みを怠ると罰則がかされます。ですので、ある一定の事業者にとっては義務ではないが、半強制的な要素はあります

また全ての事業者は、脱プラに取り組んでいる事を国に報告する必要などもありません。取り組んでいる場合には自社ホームページなどに掲載して欲しいという、お願いベースのみがあります。

それでは、取り組みが義務ではないとすると、取り組むことへのメリット・デメリットはどうなっているのでしょうか?以下で、詳しく解説していきます。

取り組み対象事業者と罰則対象者(デメリット)

プラスチック資源循環促進法の「販売・提供」の「特定プラスチック使用製品の使用の合理化の取組」が求められる対象事業者は、小売・サービス事業者です。ただし、指定された業種に該当しない場合でも、同組織の関連事業で飲食業を営んでいる場合などは、その事業も対象事業者になります。ただし、継続的な営利活動が行われておらず、事業性がない場合は対象外となります。

そして、上記対象事業者の中で、前年度、特定プラスチック使用製品の提供量が5トン以上の場合は、「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」と区分されます。

こちらの多量提供事業者には、取り組みを行わない場合には罰則が設けられており取り組みが著しく不十分な場合には「勧告・公表・命令・罰則」を与えられる可能性があるとなっております。なお、命令後も指示にしたがわなかった場合には、50万円以下の罰金刑に処されることになっています。

また「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」は、事業者単位・法人単位の全事業量になり、フランチャイズ店では、定款に「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」が含まれている場合は、本部事業者の提供量と合算される事になります。

ちなみに、年間5トンと言う数字は、アメニティでよくあるハブラシ(24穴/3gチューブ付き)なら33万本ほどに相当すると言えます。

メリット

取り組むメリットとしては以下の事が考えられます。

補助金を受けられる

国・各地方自治体それぞれで、プラスチック資源循環促進法に対しての設備投資として認められるものに関しては補助金が出る制度があります。(2022年で終了済み)
https://www.pref.osaka.lg.jp/shigenjunkan/hojokin/index.html

企業イメージの向上

これからの世界のスタンダード方針となりうるSDGsに積極的に取り組んでいることが消費者や取引先に伝わると、企業イメージがアップし売り上げや受注の増加も見込まれます。販売事業者には関係ありませんが、キットカットのように表彰されることもあるので、宣伝費をかけずに宣伝する事もできます。

また、「自分たちの取り組みが持続可能な社会の実現につながる」という認識が社員の間に根付き、社員のやる気・モラル意識の向上が期待でき、指揮の向上、人材流出を防げるなど、求人にかかるコスト削減や人材確保などの採用活動も円滑に進むことが期待できます。

投資の世界では、「環境や社会に配慮することが大きなリターンを生む」という視点が浸透している為、投資家からも注目を集める事ができ、取引や資金調達も進みやすくなる事も期待できます。

イメージの良い企業が立地していると、地域住民からも愛着を持たれ、社会貢献を目的に他業者や行政などからコラボレーション企画の話も寄せられやすくなるでしょう。企画を進める中で、新しいビジネスが生み出される可能性も期待できます

未来のために

これはビジネスには関係のない事ですが、このような取り組みが認知されることによって海洋プラスチックゴミ問題を初めて身近なものと感じ、情報を受け取るきっかけになることもあります。

私たちの・子供たち・自然の未来を少しずつでも守る。それはきっと大きなメリットだとも言えると思います。

また、多くの有名ホテルも取り組んでいることなので、今後のスタンダードの考えになっていくでしょう。(参考サイト:https://ideasforgood.jp/matome/plastic-laws-hotels/

具体的な商品・DCアメニティでの取り組み

それでは、具体的にはどんなサステナブル(持続可能な)な製品があるでしょうか。

上記に伴って、小売業をしている筆者(アメニティ販売事業者のDCアメニティ)が行っている対策をもとに解説していきます。DCアメニティでは持続可能な消費を目指すため、環境に優しいプラスチック素材を使用した袋類や販促品の開発を推進しております。

ここまでの話の中で、代替素材への切り替えが出てきておりましたが、実際のところ、竹や木でできたスプーンやハブラシ、繰り返し使えるような備品はやはり現段階ではコスト高になってしまう傾向があります。いくら環境の為とはいえ事業者や利用者に負担がかかってしまう取り組みは持続可能とは言い難いものがあります。かと言って、環境への配慮をしないものを事業者としては扱うのは避けたいフェーズでもありますよね。

そこで、今までのように使用でき、かつコストも低い「エコプラスチック」をDCアメニティでも取り扱っております。

DCアメニティにてご提案できるエコプラスチック素材については、リサイクルポリエチレン(再生プラスチック)や、バイオマスプラスチック(サトウキビなどの生物資源)などを素材にした製品です。

まずは素材の性質を知っておく為に、通常のプラスチック(ポリエチレン)とエコプラスチックを利用して袋を製造した場合を比較表としてまとめました。

※1-黒色のみ
※2-環境条件付き
※3-リサイクル数により耐久性は落ちていきます
※4-含有率により耐久度が変化します
※厚みや混入量によりコスト等の変動がございます

素材 コスト 着色 印刷 生分解性 耐久 CO2削減
通常プラスチック
(ポリエチレン・PE)
× ×
再生プラスチック
(リサイクルポリエチレン/RePE)
※1 ※2 ※3
バイオプラスチック
(バイオマスプラスチック)
× ○ or △
※4
バイオプラスチック
(生分解性プラスチック)
※2

以下で、各素材に拘った理由とそれぞれのメリット・デメリットを解説いたします。

再生プラスチック製品(リサイクルポリエチレン/RePE)

再生プラスチック製品(リサイクルポリエチレン/RePE)は、一度製造した未使用プラスチック(プレコンシューマー)を収集し原料に戻したものを再生プラスチックの原料として使用して製造(再ペレット化)したものです。

再生プラスチック原料であるリサイクルポリエチレンを100%使用することで、新たな化石資源の石油を全く使うことなく生産できるので、循環型社会の形成に重点を置きつつ、CO2排出を削減にも貢献することができます。

また当社では、リサイクルポリエチレンの混入率もお選びいただけますので、予算や削減目標に合わせて生産する事が可能です。

メリット
  • コストが安価
  • 石油資源を使用しないカーボンニュートラル
デメリット 生地着色は問題なくできますが、印刷などの面ではやや不安です

また、弊社の製品には以下のようなマークを表示したりしています。

バイオマスプラスチック製品

バイオマスプラスチック製品は、生分解性プラスチックと比べ強度・耐久性がありつつ、CO2削減・石油資源の削減に貢献できる、まさにいいとこ取りの素材といえるでしょう。

メリット
  • 生地着色なども含め、印刷も問題なし
  • バイオマスマークの記載可能
  • 石油資源を使用しないカーボンニュートラル
デメリット コスト高になる傾向

また製品には、以下のマークを表示することが出来ます。

バイオマスプラスチック使用製品例

弊社では、新法基準をクリアできる本体にコーンスターチ(とうもろこし)、食用外のお米などを使用し、石油資源の節約につながるバイオプラスチックを取り扱っております。

パッケージにも素材と配合率等エコを訴求するマークをプリントしておりますので、環境に優しい企業イメージのアピールにもGOODです。

ハブラシ

ハブラシは特定プラスチック12品目にも含まれており、代替素材&軽量化デザインの製品を使用することによってコストダウンを図っております。もちろん、個包装パッケージにエコ表記もございますので、企業イメージアップにもつながります。

イメージ 商品名 特徴 入数 単価 税込価格 詳細
エコハブラシ 28穴 エコハブラシ 28穴 コーンスターチ28%配合 1,000 14 15,400 確認する
エコハブラシ26穴-3g エコハブラシ26穴-3g
マットシリーズ
食用外米30%配合
軽量化
1,000 18 19,800 確認する
インスタントエコハブラシ インスタントエコハブラシ 食用外米35%配合
軽量化
3,000 7 23,100 確認する
その他のコーンスターチ配合製品
イメージ 商品名 特徴 入数 単価 税込価格 詳細
エコシャワーキャップ エコシャワーキャップ コーンスターチ20%配合 1,000 10.5 11,550 確認する
カミソリ3枚刃(白) カミソリ3枚刃(白) コーンスターチ30%配合 1,000 23 25,300 確認する
エコヘアブラシ エコヘアブラシ コーンスターチ28%配合 1,000 13 14,300 確認する

環境と人に優しいエコシリーズ

以下は、当社取り扱いのリサイクル製品やバイオマスプラスチック製品を厳選したエコシリーズです。

エコシリーズとは、原料の一部に再生原料が使われていたり、焼却時にダイオキシンの発生を抑制するバイオマス素材を使用しているなど、当社が地球に対してできることを考えた、環境と人に優しい商品で、使用することで環境配慮型の企業としてブランドアピールにも繋がると考えています。

また、毎日取り替える衛生用品こそエコ素材を使用したものを利用できるように、バイオマスプラスチックを使用しつつもコストを抑えました。これらシリーズ製品は、財団法人緑の地球防衛基金を通じて地球環境の保全に協力しています。

イメージ 商品名【エコシリーズ】 素材 入数 単価 税込価格 詳細
使い捨て靴みがき 使い捨て靴みがき 回収ペットボトル25%使用 2,000 8 17,600 確認する
サニタリーペーパー サニタリーペーパー 清浄済 リサイクルパルプ50%使用 10,000 1.5 16,500 確認する
サニタリーバッグ サニタリーバッグ バイオマス
プラスチック
2,000 5 11,000 確認する
コップ袋詰替コンディショナー コップ袋 消毒済 バイオマス
プラスチック
10,000 1.5 16,500 確認する
ランドリーバッグ ランドリーバッグ バイオマス
プラスチック
2,000 11 24,200 確認する

その他のエコ商品

また、代替素材の詰め替えバス用品のエコ商品として、保湿効果のある「植物エキス」や「チャ葉エキス(保湿成分)」を配合したフローラルフルーティーの香りがする、人にも環境にも優しいシャンプーシリーズをご提案しております。

詰め替えパッケージの原料は石油由来ではなく植林で増やせる再生産可能な資源である紙を使用しており、従来のパウチ容器と比較すると樹脂使用量を約25~40%削減できます。

補充方法が「詰め替え」から「差し替え」に変わることで、従来のパウチに代わる新発想の紙容器で簡単&スピーディーな詰替が可能になり、従業員様の負担を軽減する事も目的です。

イメージ 商品名・HAJIMARI EASY+
(ハジマリ イージープラス)
特徴 入数 単価 税込価格 詳細
詰替シャンプー 詰替シャンプー 紙資源 120 300 39,600 確認する
詰替コンディショナー 詰替コンディショナー 紙資源 120 300 39,600 確認する
詰替ボディソープ 詰替ボディソープ 紙資源 120 300 39,600 確認する

これらの他にも、旅館やカラオケ店で使用する「マイクカバー」や「DM用封筒」など多種多様な備品をリサイクルポリエチレンやバイオマスプラスチック、FSC認証紙などのエコ素材でお作りすることが可能ですので、是非お気軽にご相談ください。

最後に

日本は、これらのバイオマスプラスチックやリサイクルポリエチレンを取り扱い、2030年までに2013年比にてCO2を26%(3.4億t)削減する方針です。(内、約200万tをバイオマスプラスチックの普及によりプラスチック焼却関連から削減)

2022年からはプラスチック資源循環促進法と共にSDGsにおける17の目標を取り入れ、環境への取り組みと企業としての責任感をしっかりと顧客にアピールしていけたらいいですね。これらに取り組むのは早ければ早いほどメリットとしての先行者益が大きくなると考えられます。

当社DCアメニティでは、エコプラスチックを使用したCSR商材(企業の社会的責任)の他にもバイオマスインキ、再生紙、エコ繊維を使用した地球環境に優しいアメニティ商材を多数取り揃えております。

ホテルや旅館などの宿泊施設をはじめ、ネットカフェやカラオケ店などのアミューズメント施設、老人ホームなどの介護福祉施設や、飲食店、美容業界など様々な業種の企業様が手軽にご利用いただけるエコ商品を今後も積極的に入荷してまいりますので、商材のリクエスト等ございましたらぜひお気軽にお尋ねください。

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