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宿泊施設のタオル持ち帰り案内はなぜ分かりにくいのか

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宿泊施設のタオル持ち帰り案内はなぜ分かりにくいのか

ホテルや旅館に宿泊した際、客室に置かれているフェイスタオルやバスタオルについて、「これは持ち帰ってよいものなのか」「使用後は客室に置いておくものなのか」と迷う場面があります。

特に、旅館では薄手のフェイスタオルを記念品や入浴用として持ち帰る文化がある一方、ビジネスホテルやシティホテルでは、タオルはリネン備品として回収・再利用されることが一般的です。そのため、施設の業態やタオルの種類によって、利用者側の受け止め方に差が出やすい分野といえます。

DCアメニティでは、宿泊施設におけるタオル・アメニティ運用の実態を把握するため、アンケート調査と現地確認を進めています。本記事では、当社が公開している以下の2つの資料をもとに、タオル持ち帰り案内が分かりにくくなる理由と、施設側が検討すべき案内方法について整理します。

なお、本記事は個別施設の評価やランキングを目的としたものではありません。宿泊施設全体におけるタオル・アメニティ運用の課題を整理するための考察記事です。

タオルの「持ち帰り可否」は施設業態によって前提が異なる

宿泊施設で提供されるタオルは、一見すると同じように見えても、運用上の位置づけは施設によって異なります。

たとえば、旅館や温泉宿泊施設では、薄手のフェイスタオルが入浴用・記念品的な役割を持つことがあります。この場合、施設側は「お客様に持ち帰ってもらう」ことを前提にしている場合があります。

一方、ビジネスホテル、シティホテル、宿泊特化型ホテルなどでは、フェイスタオルもバスタオルもリネン備品として扱われることが多く、使用後は客室内に残し、清掃時に回収する運用が一般的です。

つまり、利用者から見れば同じ「タオル」でも、施設側から見ると「持ち帰り可能な消耗品」と「回収対象の備品」が混在していることになります。この前提の違いが、タオル持ち帰り案内を分かりにくくする大きな要因です。

現地確認データから見えたこと

当社が公開した現地確認データでは、複数の宿泊施設について、施設業態、大浴場の有無、タオル提供方法、持ち帰り可否に関する案内などを匿名化して整理しています。

その中では、温泉付きビジネスホテル、都市型ホテル、宿泊特化型ホテル、温泉宿泊施設など、施設業態によってタオルの扱いに違いが見られました。

特に確認されたのは、タオルの持ち帰り可否について、明確な表示がある施設と、客室内や館内表示だけでは判断しにくい施設があるという点です。

宿泊者が「旅館ではフェイスタオルを持ち帰れることが多い」という経験を持っている場合、大浴場のあるホテルや温泉付きビジネスホテルでも、同じように持ち帰れると誤解する可能性があります。

反対に、施設側が「タオルは備品なので持ち帰らないのが当然」と考えていても、その前提が利用者に十分伝わっていなければ、悪意のない持ち帰りや問い合わせにつながる可能性があります。

アンケート調査から見えたこと

第1回アンケート調査では、宿泊施設・温浴施設等を対象に、フェイスタオルの提供形態、使用後の処理、持ち帰り状況、施設側の印象などを確認しています。

公開資料では、個別施設が特定されないよう、個票そのものではなく、匿名化済み分析データ、集計値、自由記述の要約として整理しています。

このアンケートからは、使い捨てフェイスタオルを導入している施設では、持ち帰りを前提または許容している場合がある一方、リネンサプライや施設内クリーニングで回収するタオルは、備品として持ち帰り不可の扱いになることが分かります。

また、「持ち帰ってよいもの」を明記することについて、客室内の案内、浴場・脱衣所、アメニティ置き場、チェックイン時の案内書きなど、複数の案内場所が想定されていることも確認できます。

この点から、タオル持ち帰りの問題は、単に「持ち帰ってよいか、悪いか」という二択ではなく、施設側の運用と利用者への伝え方の問題として整理する必要があります。

分かりにくさの原因は「フェイスタオル」と「バスタオル」の役割差

タオルの持ち帰り案内が分かりにくくなる主な原因の整理
図:フェイスタオルとバスタオルでは、施設側の運用上の位置づけが異なる場合があります。

タオル運用で特に誤解が起きやすいのは、フェイスタオルとバスタオルの扱いが異なる場合です。

一般的に、バスタオルは大型でリネン備品としての性格が強いため、持ち帰り不可であることが比較的分かりやすい備品です。

一方、フェイスタオルは、旅館や温泉施設では入浴用・記念品・消耗品として扱われることもあり、施設によって「持ち帰り可」と「持ち帰り不可」が分かれやすい品目です。

そのため、施設側が何も案内しない場合、利用者は過去の宿泊経験をもとに判断することになります。これが、施設側の意図と利用者側の行動がずれる原因になります。

案内すべきなのは「禁止」だけではない

タオルの持ち帰り案内というと、「持ち帰らないでください」という禁止表示を思い浮かべるかもしれません。

しかし、使い捨てフェイスタオルや名入れタオルを導入している施設では、むしろ「こちらのタオルはお持ち帰りいただけます」と明記した方が、利用者にとって親切です。

また、持ち帰り可能なタオルと回収対象のタオルが混在する場合には、単に「タオルの持ち帰り禁止」と書くよりも、次のように分けて案内する方が分かりやすくなります。

  • フェイスタオル:お持ち帰りいただけます
  • バスタオル:客室内にお戻しください
  • 大浴場用タオル:使用後は回収ボックスへお入れください

このように、持ち帰り可能なものと回収対象のものを分けて示すことで、利用者の迷いを減らし、施設側の清掃・回収業務の負担軽減にもつながる可能性があります。

案内場所は1か所では足りない場合がある

タオル持ち帰りの案内は、客室内だけに置けば十分とは限りません。

宿泊者がタオルを使う場所は、客室内の浴室だけでなく、大浴場、脱衣所、温浴施設、アメニティ置き場など複数あります。そのため、施設の運用に応じて、利用者が判断する直前の場所に案内を置くことが重要です。

たとえば、大浴場がある施設であれば、客室内の案内だけでなく、大浴場へ向かう導線、脱衣所、回収ボックス付近などに簡単な表示を加えると、誤解を防ぎやすくなります。

また、チェックイン時にフロントでアメニティを渡す施設では、口頭説明だけでなく、短い案内カードやパッケージ表示を併用することで、案内の抜け漏れを減らすことができます。

施設側にとってのメリット

タオル持ち帰りの可否を明確にすることは、利用者のためだけではありません。施設側にとっても、次のようなメリットがあります。

  • リネンタオルの誤持ち帰りを減らせる
  • 清掃スタッフやフロントへの問い合わせを減らせる
  • 使い捨てタオルを導入している場合、持ち帰りによる廃棄量削減につながる可能性がある
  • 利用者にとって分かりやすい施設運用になる
  • 外国人利用者にも説明しやすくなる

特に、リネンタオルと使い捨てタオルが混在する施設では、案内の有無が運用上の差につながりやすいと考えられます。

まとめ

宿泊施設におけるタオル持ち帰り案内が分かりにくくなる背景には、施設ごとの運用差があります。

特にフェイスタオルは、旅館では持ち帰り可能なものとして扱われる場合がある一方、ホテルではリネン備品として回収される場合もあります。この違いが利用者に伝わっていないと、悪意のない誤持ち帰りや、施設側の負担につながる可能性があります。

そのため、施設側では「持ち帰り不可」と一律に伝えるだけでなく、「どのタオルが持ち帰り可能で、どのタオルが回収対象なのか」を具体的に示すことが重要です。

タオル・アメニティの案内は、小さな表示に見えますが、宿泊体験、清掃負担、備品管理、環境配慮のいずれにも関係する運用課題です。今後もDCアメニティでは、宿泊施設におけるアメニティ運用の実態を調査し、現場で使いやすい情報として整理していきます。


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