フェイスタオルの持ち帰りは宿泊施設にとって助かるのか
宿泊施設におけるタオルの持ち帰りというと、一般的には「備品を持ち帰られると困る」という印象を持たれやすいかもしれません。
しかし、フェイスタオルの運用を細かく見ると、必ずしも一律に「困る」とは限りません。特に、使い捨てフェイスタオルや持ち帰りを前提としたタオルを導入している施設では、利用者に持ち帰ってもらうことを、施設側が肯定的に捉えている場合があります。
本記事では、当社が公開している 宿泊施設におけるフェイスタオル持ち帰り運用に関するアンケート調査資料(第1回) をもとに、「フェイスタオルの持ち帰りは、施設側にとって助かるのか」という点を整理します。
また、補足資料として公開している 宿泊施設におけるタオル・アメニティ運用に関する現地確認データ も参照し、現地確認で見えたタオル運用の違いについても触れます。
なお、本記事は個別施設の評価やランキングを目的としたものではありません。宿泊施設におけるタオル・アメニティ運用の傾向を整理するための考察記事です。
第1回アンケートの概要
第1回アンケートでは、宿泊施設・温浴施設を対象に、フェイスタオルの提供形態、持ち帰り可否、使用後処理、施設側の印象などを確認しました。
公開資料では、回答数は40件、調査方法はWebアンケート、公開形式は個票ではなく匿名化済み分析データ・集計値として整理しています。個別施設が特定されないよう、自由記述は全文ではなく要約として掲載しています。
施設側の印象は「困る」だけではない
使い捨てフェイスタオルが利用者に持ち帰られることについて、施設側の印象を3分類で整理した結果は、以下の通りです。
| 施設側の印象 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 使い捨て未導入/対象外 | 15件 | 37.5% |
| 助かる | 12件 | 30.0% |
| 中立 | 11件 | 27.5% |
| 困る | 2件 | 5.0% |
この結果を見ると、「困る」は2件・5.0%にとどまっています。一方で、「助かる」は12件・30.0%、「中立」は11件・27.5%でした。
つまり、フェイスタオルの持ち帰りは、施設側にとって必ずしも迷惑行為として捉えられているわけではありません。使い捨てフェイスタオルや持ち帰り前提のタオルを導入している施設では、むしろ施設運用上「助かる」と評価される場合があります。
なぜ「持ち帰ってもらうと助かる」のか
使い捨てフェイスタオルの場合、使用後に客室や脱衣所に残されたタオルは、施設側で回収、分別、廃棄、または一部再利用の判断が必要になります。
そのため、持ち帰りを前提としたタオルであれば、利用者がそのまま持ち帰ることで、施設側の回収・処理の手間が軽減される可能性があります。
また、名入れタオルや持ち帰り用タオルの場合、利用者の手元に残ることで施設の記念品や再訪想起のきっかけになることもあります。旅館や温泉施設では、フェイスタオルが単なる備品ではなく、入浴文化や宿泊体験の一部として受け止められている場合もあります。
ただし、これはあくまで「持ち帰りを前提としたタオル」の場合です。リネンサプライや施設内クリーニングで再利用するタオルを持ち帰られると、補充コストや管理負担につながります。
したがって、重要なのは「タオルの持ち帰りがよいか悪いか」ではなく、施設側の運用設計と、利用者への案内が一致しているかどうかです。
持ち帰り可否の表示は「助かる」と評価されやすい
第1回アンケートでは、タオルを含む使い捨てアメニティについて、「持ち帰ってよいもの」を明記することへの評価も確認しています。
表示評価の集計結果は、以下の通りです。
| 表示評価 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 助かる | 19件 | 47.5% |
| どちらでもない | 14件 | 35.0% |
| 不要 | 7件 | 17.5% |
表示評価では、「助かる」が19件・47.5%と最も多くなっています。
この結果から、施設側にとっても、持ち帰り可否を明確にする表示には一定の実務的価値があると考えられます。利用者が迷わず判断できるようになれば、問い合わせや誤持ち帰りの抑制にもつながります。
「持ち帰りOK」と「持ち帰り不可」は分けて伝える必要がある
タオル運用で誤解が起きやすいのは、同じ施設内に「持ち帰ってよいタオル」と「回収対象のタオル」が混在する場合です。
たとえば、フェイスタオルは使い捨てまたは名入れで持ち帰り可能、バスタオルはリネン備品として回収対象、という運用が考えられます。この場合、単に「タオルはお持ち帰りいただけます」とだけ書くと、バスタオルまで持ち帰ってよいと誤解される可能性があります。
反対に、「タオルはお持ち帰りできません」と一律に書くと、本来持ち帰ってほしい使い捨てフェイスタオルまで客室に残される可能性があります。
そのため、案内では以下のように、タオルの種類ごとに区別して示すことが重要です。
- フェイスタオル:お持ち帰りいただけます
- バスタオル:客室内にお戻しください
- 大浴場用タオル:使用後は回収ボックスへお入れください
このように具体的に案内することで、利用者の迷いを減らし、施設側の意図した運用に近づけることができます。
現地確認データから見える運用差
当社が公開している現地確認データでは、施設業態、大浴場の有無、タオル提供方法、案内方法などを匿名化して整理しています。
現地確認では、温泉付きビジネスホテル、都市型ホテル、宿泊特化型ホテル、温泉宿泊施設など、施設の業態によってタオルの位置づけに違いがあることが確認されました。
特に、旅館や温泉宿泊施設ではフェイスタオルが入浴用・持ち帰り用として扱われる場合がある一方、都市型ホテルやビジネスホテルでは、フェイスタオルもバスタオルもリネン備品として回収される場合があります。
この運用差が利用者に伝わっていないと、悪意のない誤持ち帰りや、逆に持ち帰ってほしいタオルが残されるといったずれが生じる可能性があります。
施設側にとっての実務的な示唆
第1回アンケートと現地確認データから見ると、フェイスタオルの持ち帰り運用では、次の点が重要だと考えられます。
- 使い捨てフェイスタオルは、持ち帰ってもらうことで施設側が助かる場合がある
- リネンタオルは、回収・再利用を前提としているため、持ち帰り不可を明確にする必要がある
- フェイスタオルとバスタオルで扱いが異なる場合は、種類ごとに案内を分ける必要がある
- 持ち帰り可否の表示は、施設側にも利用者側にも実務的なメリットがある
- 案内場所は、客室内、浴場・脱衣所、アメニティ置き場、チェックイン時の案内書きなど、利用者が判断する場面に合わせて設計する必要がある
特に重要なのは、持ち帰りを禁止するかどうかではなく、施設側が意図している運用を、利用者に分かりやすく伝えることです。
まとめ
フェイスタオルの持ち帰りは、宿泊施設にとって一律に「困る」ものではありません。
第1回アンケートでは、使い捨てフェイスタオルの持ち帰りに対して、「助かる」とする回答が12件・30.0%、「中立」が11件・27.5%であり、「困る」は2件・5.0%にとどまりました。
また、「持ち帰ってよいもの」を明記する表示については、「助かる」が19件・47.5%と最も多く、案内表示には一定の実務的価値があると考えられます。
施設側にとって必要なのは、タオルの持ち帰りを単純に禁止することではなく、「持ち帰ってよいタオル」と「回収するタオル」を明確に分けて案内することです。
DCアメニティでは、今後も宿泊施設におけるタオル・アメニティ運用の実態を調査し、施設運用と利用者理解の両面から、分かりやすい案内方法を整理していきます。
持ち帰り表示を明確にしたフェイスタオルのご案内
本記事で整理したように、フェイスタオルの持ち帰り運用では、「持ち帰ってよいタオル」と「回収するタオル」を分けて案内することが重要です。
DCアメニティでは、宿泊施設・温浴施設向けに、袋入りで持ち帰り用として案内しやすい 「お持ち帰り用 180匁フェイスタオル」 を取り扱っています。
180匁(約56g)の薄手タイプで、サイズは約340×860mm。1枚ずつ個包装されているため、客室、フロント、大浴場、外湯めぐり用など、施設側の運用に合わせて設置しやすい商品です。
袋入りで「お持ち帰り用」として案内しやすく、リネンタオルとの区別にも役立ちます。フェイスタオルの持ち帰り可否を分かりやすくしたい施設様は、下記商品ページをご確認ください。
※商品仕様・価格・在庫状況・納期は、商品ページの最新情報をご確認ください。
参照資料
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